2007年7月11日水曜日

兵庫県立美術館の楽しみ方




今週は神戸にある兵庫県立美術館を紹介します。

この美術館で、私の美術館に対する見方がまったく変わりました。
絵を見る楽しさがあることは当然ですが、その他多くの感動と新しい出会いが用意されています。

私にとってはディズニーランドで1日過ごすことと同じように、
兵庫県立美術館では1日たっぷりと素敵で贅沢な時を過ごすことができます。


今回はその楽しみ方を7つ紹介します。

●楽しみ1-建物を含む空間を味わう 

建築家安藤忠雄によつて設計されたこの美術館は、内部は巨大な迷路となっています。

しかも、前景は神戸の海、後景は六甲山となっています。
その風景は魅力満点です。 

この景観も含んだすべてが兵庫県立美術館です。

ここでは美術館内部、及び外部を含む風景そのものが芸術作品なのです。

体力に自信がある人は、くまなく館内外を回って見ましょう。
迷い人になることもよし、
散歩するのもよし、 

そこで感じる新鮮な感覚を満喫しましょう。 
勿論、費用はかかりません。 

●楽しみ2-小磯良平と金山平三を知る

神戸の画家であった小磯良平と金山平三の作品にいつでも会うことができます。 
記念室には小磯の代表作「斉唱」をはじめとして、 二人のすばらしい作品が展示されています。

特に、「斉唱」の前で、作品と一緒に歌いませんか。
作品から湧き出てきている「清らかな歌」であなたの心はきっと癒されることでしょう。

常設ですから、ゆっくりと二人の絵を味わいつくすことができます。

さらに、約7000点の美術品が収蔵されており、定期的にそのコレクション展が開催されています。


●楽しみ3-手で見る造形 

7月7日~11月18日まで、山村幸則の「手デカラ。目デカラ、心のチカラ」が開催されています。
私たちは視覚で作品を見るということが鑑賞の暗黙の前提となっていますが、 

今回の山村の作品は「触覚で感じる」という工夫がされています。 

案内の方に付き添われて、目隠しをした状態で、
ひたすら手を使い作品に触れていきます。

いったいこれはなんだろうか? 
そのような疑問を持ちながら、 

触れていくうちに脳の中では、
色々な想像力が活性化し、 
芸術作品に対するフレームが新しく脳内に一つ追加されます。


象だろうか、いや恐竜だろう?
答えは皆さんが直接体験され、手で、脳で味わってください。 



●楽しみ4-美術館の調べ

月に二回程度、美術館のエントランスホールでコンサートが開催されています。
7月7日は西宮出身の黒瀬奈々子のヴァイオリン・リサイタルでした。
ラヴェルの「ツィガーヌ」をはじめとして、すばらしい音色の演奏会でした。
目の前で演奏がなされ、しかも無料で鑑賞できるとは、すばらしいひと時でした。


視覚で作品を鑑賞し、 
触覚で作品を感じ、 
聴覚で音楽を聴く 

ここには本物の贅沢な時間があります。 
次回にコンサート予定は、
 7月21日(土曜)古屋晋一のピアノコンサート 
 8月04日(土曜)減額三重奏コンサート  



●楽しみ5-海辺の喫茶店

疲れてきたら、海が見える喫茶店、1階の「ffフォルテシモ」でコーヒーを飲みませんか。
海が見える席が約30以上席用意されています。


その一つに座りながら
休むのもよし、
ボ~と何もしないのもよし、
読書に耽るのもよし、よし。


ちょっと休息タイムをとりましょう。 


●楽しみ6-美術情報センターで出会う

ここには、学びの場が用意されています。
蔵書3万冊、映像ソフト400本、PC10台があり、 


センターで気に入った芸術家の画集や本、DVDを 
又、偶然に身を任せて、手当たり次第に 自由に見ることができます。 

今回私は、DVD美の巨人の中から「小磯良平」と「佐藤哲三」を視聴しました。 

作品だけを自分の感性で観ることも大切ですが、 
その人に関する知識を知ることも、さらに作品の理解を深めるという点で重要なことです。  

特に「佐藤哲三」に関しては、これまでまったく知識がありませんでした。 
このDVDにより、哲三の作品とその生き方を知ることができ、 

特別展で「帰路」という作品に出会えたことは、 
美しい絵だけが好きであった私から、 

暗い中にも力強さがあり、人生の重みを深く背負った作品にも興味がわいてきました。 
自分の思考の枠組みを広げたり、
新しい芸術家に偶然に出会うことができる出会いの場 ーそれが美術情報センターです。

●楽しみ7-本物に出会うことで感動するー特別展
人生の至福の1つは「感動」です。 
人生の中で感動の回数が多いほど、
その人生は心が豊かになるのではないでしょうか。 

その感動をプレゼントしてもらう場が本物の作品との出会い=特別展です。
今回、「見果てぬ夢ー日本近代画家の絶筆」(~7月8日)が開催されていました。

日本の近代画家107名の、絶筆といわれている作品が展示されていました。  
最後の力を振り絞り描いた作品、突然の死で最後の作品となってもの。 

それぞれの人のありようが、感じられる作品でした。  
実年齢と想像力はまったく関係がないことを
今井俊満、里美勝蔵、宮本三郎の各作品を通じて感じました。 
たとえ病のハンディキャップあっても、 
高年齢であっても 
表現力がうまくなくなっても 
創造力性は更に磨かれ、 

作品から出てくる魂の表現は見事なものです。

次回は「川村記念美術館ー巨匠と出会う名画展」(7月28日~10月8日)が開催されます。
レンブラントや尾形光琳の作品に出会うことをワクワクしながら楽しみにしています。 


交通アクセス
 
 ・阪神岩屋駅 徒歩8分
 ・JR灘駅  徒歩11分
 ・三宮ターミナル バス15分(200円)本数少なし注意 以上 7つの楽しみ方を紹介しました。


 合掌 山さん

0 件のコメント: