2008年4月17日木曜日

二人の彫刻家 清水多嘉示とブルーデル

関西では今日は1日中雨だそうで、私は現在御堂筋の野外彫刻のHPを作成しています。

その中から今回は、二人の彫刻家の作品を紹介します。なお、写真をクリックすると、大きく表示されます。

まず最初に清水多嘉示(しみず たかし(じ) 1897年~1981年)の「みどりのリズム 1951年製作」という作品です。

 清水は最初は画家を目指していましたが、パリでブルーデルに出会い彫刻家の道を歩み始めました。その師であるブルーデルの作品が隣に配置してあります。粋な計らいに感謝します。

 50年前の作品ですが、古さは感じません。二人のバレリーナが手を組んで躍動感にあふれていますので、まるで、今ここで踊っているようです。
 踊っているその一瞬をとらえて彫刻にしている実にさわやかな作品です。

この作品の躍動感はどこから来ているのでしょうか?

私は二人のつま先で立っているトゥ・ダンシングの緊張感に注目しました。躍動感の源泉は両手のポジションにもありますが、バレエの命であるつま先の表現にあることを実感しました。

 同じ作品が清水の故郷原村の「八ヶ岳美術館」や岡山の後楽園等10箇所に展示されています。特に、八ヶ岳美術館では、清水の作品が100点以上展示されていますので、必見です。


さて、次は、清水の先生である ブルーデル(1861年~1929年)の「休息する女流彫刻家 1906年 製作」という作品です。 

 何かをじっと見つめている美しい表情の作品です。この女性は後に、ブルーデルの妻となるクレオパトールという人です。ブルーデルの彼女への愛情を感じる作品ですね。

単純化された表現と女流彫刻家がこれから彫るであろう石に右手をおいている姿勢は微妙なバランスを保っています。
当時のブルーデルは「偶然的な面を取り除き恒久的な面を求めようと私はしている、移り行く一時的な波動は二の次とし、普遍的リズムを追求する」と発言しているように、ロダンから学ぶというレベルからブルーデルらしさの彫刻を作り始めたことがわかる言葉です。 その作品のひとつが「休息する女流彫刻家」ではないでしょいうか。


 なお、同じ時期に彫刻を製作している「製作する女流彫刻家」という作品がありますので、対になって製作したものと思われます。

御堂筋にある残り25作品は山さんのHP(アートを楽しむ山さんの美術散歩)を見てください。今週中にはアップする予定です。
合掌 山さん

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