この美術館は小磯良平の遺族から神戸市にアトリエを含む遺作2094点の寄贈により、1992年に開館されました。
建物は長方形の箱のように外側を取り囲むように建てられ、その中庭に神戸にあった小磯のアトリエがそのまま復元されています。
兵庫県立美術館の小磯記念部屋とこの美術館の展示をあわせると、神戸の画家小磯良平を十分に楽しめることができます。
では早速この美術館の楽しみを紹介します。
その1 水彩画を楽しむ

1956年から12年間、武田薬品工業の「武田薬報」の表紙絵として「薬用植物画」が制作されています。
正確な描写力と気品のある作品は小磯のまた違った才能を感じさせます。
左の絵は「かりん」を描いたものです。
一見、忠実に写実をしていますが、
現実ではありえない部分もあります。
どこが異なるか探してみるのも楽しいものですね。
その2 アトリエを楽しむ

移築にさいしては、床の板すべて番号がつけられ、まったく同じ位置に移動され、まるで当時にタイムトリップしたように感じます。
中に入ると、アトリエをまじかに見ることができます。
朝のやわらかい太陽の光を取り入れるために作られた大窓、絵の具が重なって盛り上がっているイーゼル、好きな楽器のリュート、たくさんの美術関連の本、コーヒーミルなど 当時のままです。
このアトリエのどこにモデルがいて、またどこにある小道具が使われたか、想像しながら、美術館での作品鑑賞をすることも楽しみの一つです。
今回は、アトリエの説明を美術館の森上さんが説明してくださいました。ありがとうございます。
おかげさまで、小磯の制作状況がイメージできて楽しい時間を過ごすことができました。
その3 ハイビジョンで小磯を知る美術館には「ハイビジョン・ギャラリー」室があります。
約45席の小さな映画館です。
そこでは、小磯の人がらや交友関係、芸術作品等がハイビジョンで紹介され、小磯を多角的に学ぶことができます。
現在の上映内容は左の写真のとおりです。
作品の鑑賞をしてからハイビジョンを見ることもよし、
ハイビジョンを見てから、作品を鑑賞することもよし、
小磯に理解がさらに深くなり、約2時間の楽しい時間を過ごせます。
ただし、中は暗く、冷房がきいていますので、そのままいい気持になって眠らないように注意しましょう!
その4 喫茶室 パサージュで休憩する 3つの展示室、アトリエ、ハイビジョン・ギャラリーを回ると疲れがどっときます。
美術館内に風月堂が経営する喫茶室パサージュありますので、お茶を飲んで休憩をしましょう。
店内は、二人テーブル3、4人テーブル3、14人テーブル1でこじんまりとした空間ですが、上品な雰囲気を持っています。
私はアイスティー(472円)をオーダーしましたが、風月堂ですからおなじみの「ゴーフル」がついてきます。
右手に美術関連の本がありましたので、「現代日本素描全集 9」をお茶を飲みながら見ました。この本は現在中古本でも見つけることができない貴重な本です。
その中にあるフィレンチェの「花の聖母教会」の素描は絶品です。
その5 ロビーコンサートや美術講座を楽しむ
●今月の9月29日(土)午後2時から神戸室内合奏団によコンサートが開催されます。
コンサート料金は無料ですが、美術館の入館料金は800円が必要です
(今回は開館15周年記念特別展ー藤島武二と小磯良平展の開催のために多少高めです)。
まじかで、合奏団の音に出会えることは素敵なことですね。
●美術講座の開催
毎月1回、美術館の2Fで美術講座が開催されています。
-10月27日(土) 藤島武二の芸術
-11月17日(土) 富本憲吉 人と作品
-12月15日(土) 雪舟作品の謎
- 1月19日(土) 黒田清輝の作品と仕事
- 2月16日(土) こんなにおもしろい江戸時代の絵画
- 3月22日(土) アサヒビール大山崎山荘美術館の魅力
2000円(6回)が必要です。また申込は10月6日まで、往復はがきで申込をします。
その6 六甲アイランドの野外彫刻を楽しむ 美術館を出たら、六甲アイランドを散歩しませんか。
超高層のビルに囲まれた場所に、すばらしい野外彫刻が34もあります。
六甲ライナーの下をまっすぐ海に向かってマリンパークまで歩くだけでも、船越保武の「渚」等7つのビーナスに出会うことができます。
この山さんの美術散歩でもこれらの彫像を取り上げる予定です。
● 美術館へのアクセス
JR住吉駅(または阪神魚崎駅から「六甲ライナー」乗り換え、アイランド北口下車、
徒歩2分
合掌 山さん
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