
川村記念美術館は大日本インキ化学工業(株)が中心となって収集していた美術品を公開する為に、1990年5月に千葉県佐倉市に開館されました。
レンブラントをはじめとして評価が高いコレクションがあることは知っていましたが、関西からは遠いのでなかなか行くことができませんでした。今回、美術館の全面改装ということで神戸で開催されたことは私にとっては非常に幸運な出来事です。
アンディ・ウォーホルの「マリリン・モンロー(1962年~)」やフランク・ステラの「恐れ知らずの愚か者(1985年)」が煌びやかに、「私の絵を見てよ!」と叫んでいる展示室を通り抜けると、「日本美術の流れ」の展示室があります。
最初に出会うのが、この長谷川等伯の「烏鷺図(屏風-六曲一双 紙本墨画 1.5m×3.5m)」です。
約400年間の時の評価にも負けない、また、現代アートにも負けない、凛とした存在感のある大人の作品です。
左には大きな松と1羽のカラス。
右側には4羽のカラスが空に戯れています。
しかし私にはこれがカラスに見えません。
遠近法を使わない空間の中に、運動している「抽象化された純粋な黒い形」にしか見えないのです。
まるで抽象絵画の世界です。
先日京都の相国寺で「伊藤若冲の動植綵絵」を見ましたが、
それはまばゆいばかりの生命の輝き、
さらに、それを超えて生きしもののエロチズムさえ感じる作品の数々でした。
若冲と比較すると等伯は、人間の情感よりも「純粋な美の形」を追求した画家です。
これが400年前の作品であるとは、長谷川等伯のすごさを感じる作品です。
残念ながら、この作品は8月21日までの展示です。
早めにいかれることをお勧めします。
それは兵庫県立美術館の「友の会 会員」になることです。
そうすると「展示会」の券が3枚と常設展示1年間無料の特典が2000円で獲得することができます。
最近の観覧料金は千円以上ですので、2回以上いけば元が取れる方法です!
最後に美術館の周りを散歩していたら、ヘンリー・ムーアの「ゴスラーの戦士(1973~4)」のブロンズ像がひっそりとおいてありました。
合掌 山さん
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