
大阪と京都の境、秀吉と光秀が信長の死後覇権を争った天王山麓にあるのがこの「自然とアートが一体になった大山崎山荘美術館」です。
大正から昭和にかけての実業家加賀正太郎が別荘(1928~29年ごろに完成)を建て、いろいろな経緯をへて、アサヒビールがこの山荘を購入し、京都府、大山崎町の協力も得て、安藤忠雄設計による新館(1995年竣工)とともに、1996年に美術館として開館されたものです。
風景を楽しむのもよし、民芸作品を見るのもよし、モネの睡蓮をみるのもよし、では山さんの5つの楽しみ方を紹介します。
1)睡蓮の池を楽しむ
薄い緑色の水と睡蓮の緑が見事なコンビネーションで緑の色彩を表現しています。周りは深い緑の草花や木々たちです。緑のハーモニーが織り成す風景はさわやかな音楽を奏でています。
時に池の湖面が光にキラキラと輝き、モネが表現した本物の光を見ることがここではできます。色と光の華麗な饗宴の場です。光と色を楽しめる空間は実に気持ちの良いところです。
2)本館とコレクションを楽しむ
民芸(民衆的工藝)活動をサポートする中で河井寬次郎(1890~1966)、濱田庄司(1894~1978)、バーナード・リーチ(1887~1979年)、富本憲吉(1886~1963)らの陶芸作品、芹沢銈介(1895~1984)の染色工芸、河合玉堂(1873~1957)、川端玉章(1842~1913)らの作品の収集を行い、現在展示されています。
小さな作品が多いのですが、河合、川端の季節の作品は日本の季節感を感じさせる優れた作品です。
私は柳宗悦の座右の銘「茶偈」が気になりました。 「如何ナルカ コレ茶陀羅尼(茶の道は仏の教えのように奥深い)」
宗悦の茶に関する意気込みを感じさせる言葉ですね。
宗悦の茶に関する意気込みを感じさせる言葉ですね。
また、めずらしいミロの彫刻作品、ガレの「花文瓶」等の作品もさりげなく展示されています。なお、強烈な印象を受けたのは、受付の前のマントルピースの上に飾ってあるブラマンクの「花瓶の花」でした。黒と色の織り成す作品はブラマンクの希薄が乗り移っているようなすさまじい迫力のある作品です。
3)新館とモネを楽しむ

設計者は安藤忠雄です。本館や周りの緑に配慮してでしょうか、コンクリート打ちっぱなしの目立たない小さな円形の建物です。
建物の中は、フランスのオランジェリー美術館のようです。円形になった壁面にそって絵が配置されています。地中美術館のモネは靴をぬいで、はだしで床に座って鑑賞するのですが、この大山崎山荘美術館では、有名デザイナーの椅子にゆったりとすわり絵を鑑賞することができます。
今回、モネの睡蓮の中で左図にある「睡蓮の花」がたいへん好きになりました。 モネの睡蓮はモネ自身の茫洋とした宇宙を表現していますが、この絵はその宇宙の中で咲いたばかりのいきいきとした花が「ぱっ」とひらいた瞬間を描いています。赤と白と黄色の力強いタッチで、宇宙に咲いた生命力を感じさせる作品となっています。
その他、入口にはピカソの「肘をつく女」、中心にはルオーの「キリストの顔」が展示されています。

11時から1時間ごとに演奏がされます。 私はちょうどテラスでテータイムだったのですが、12時からの音楽を聴くことができました。
オルゴール独自のまろやかな音は聞く人の心を癒します。幸せを感じるときです。
5)オープンカフェでお茶を楽しむ

今回私はクッキー付のダージリンティー(450円)とリーガロイヤルホテルのショコラケーキ(350円)をオーダーしました。
MINTON社の伝説のカラーバリエーションHADDON HALL BLUEのテーカップは今回の「青のコレクション」にちなんだ粋なはからいですね。
ダージリンの深みのある渋みとまろやかな味のショコラケーキは絶妙なコンビでした。大阪平野を望みながら紅茶を味わう時は至福の時間です。
6)アクセス

このバスは阪急⇒JR経由で約5分程度です。
1時間に3本あります。具体的には、阪急大山崎駅から‥毎時0、20、40分 (但、12月11日~3月10日は毎時0、30分) 、JR山崎駅から‥毎時5、25、45分 (但、12月11日~3月10日は毎時5、35分) どちらも12時台は運休、10時から運行されています。
・美術館の傍に、宝積寺の3重塔があります。それを見学するのは、急坂を登る必要がありますので運動靴が必要です。(美術館より歩いて10分)
・入場料金:一般 700円
合掌 山さん
0 件のコメント:
コメントを投稿