
この美術工芸館は1994年に開館し、 地元の伝統工芸品や郷土玩具の展示と実演、東大寺管長であった清水公照師の「すみ(書)、いろ(書画)、つち(泥仏)の世界」があります。更に、現在は「棟方志功と民芸」展が開催され、志功の重要作品「釈迦十弟子」をはじめとして多くの板画(版画)と肉筆画が展示されています。久しぶりに癒されるスポットでした。
1)美術工芸館と周りの空間(公園、竹林、建築)を楽しむ

特に中央にある噴水は存在感のあるのオブジェです。更に門の横には、姫路生まれの俳人森澄雄の句碑の「曼珠沙華」があります。
西国の畦
曼珠の華
曼珠の華
この公園から歩いて3分のところに、美術工芸館があります。入り口には両方に竹林があり、幻のきのこ「きぬがさだけ」があることを教えていただき、竹林のなかでこれを見ることができました。

最近は冷たい感じの現代美術館が多い中で、この建物はやさしいと懐かしさを感じる建物です。設計者を調べると故「宮脇檀」の設計であったので、納得をしました。宮脇の「男の生活の愉しみ」や「父たちよ家へ帰れ」を読んでいて共感していた私にとってこの建物は愛着を感じます。
2)清水公照の世界を楽しむ

公照は「朝のひと時、自分の心の泥をはく時間」として、この多くの泥仏を製作したそうです。
ユーモアのある顔、精悍な修行僧の顔、怒った顔、慈悲に溢れた顔、一人一人の泥仏と楽しむことができます。
その他にも、手と心のダンスの世界を表現した「すみ(書)の世界」、学ぶ悦びを描いた「いろ(書画)の世界」があります。
公照さんから言霊を一つもらいました。 「ありのままで、えやないの」
3)棟方志功の世界を楽しむ

見ていると、この作品の凄さがひしひしと私の心に迫ってきます。
製作は1週間で作成したそうで、獣みたいな力でできたと書いてありました。
志功がいっているように確かにこの作品には「ひろがり、ちから、深さ、位」がありました。
志功は、作品は作るのではなく、仏の慈悲の力と他力により「生み出される」といっています。
館内にある生前の志功のビデオを見ていると、歌を歌いながら、子供のように楽しさに溢れて板に顔をつけて彫っている姿は、まさに忘我の境地ですね。
18歳で「わだはゴッホになる」といってアーティストを目指した志功は、「あちらの世界」を描くことで本当のゴッホになることができたと私は確信しました。
4)郷土の工芸を楽しむ
姫路の伝統工芸作品の展示、製作実演、体験(姫路はりこ絵付け等)が開催されています。製作実演は日曜、祝日には開催されていますが、事前に開催日、時間を確認しておきましょう。
私は、52代・明珍宗理氏の創作により姫路の明珍火箸(みょうちんひばし) で作成された創作楽器・明潤琴(みょうじゅんきん)に興味がありました。展示されていますのでぜひ自分で演奏してみましょう。国内のミュージシャンから絶賛されている柔らかで澄んだ音がする楽器です。
5)書写山・円教寺を楽しむ

美術工芸館の横からロープウエイ(往復900円)で書写山(海抜370m)に簡単に登ることができます。そこにはラスト・サムライで有名になった円教寺があります。この寺は1千余年前に性空上人(しょうくうしょうにん)によって開かれた天台宗のお寺で西の比叡山と呼ばれています。
私は20年前にこの円教寺で企業研修に参加して、初めてお寺での座禅経験しました。早朝の山中での静かな座禅は本当にすがすがしい気分になることができることを実感として理解することができました。
現在も座禅体験(堂行堂で14時から無料)ができます。予約は050-3425-8251で可能です。また、写経や精進料理もいただくことができます。
●アクセス
JR姫路駅、山陽姫路駅からバス(センター)8番の乗り場で「書写山ロープウェイ」まで。時間は約25分、費用は260円。なお、車で行くことができますが、美術館の駐車場から公園までは約3分歩いていかれることをお勧めします。
合掌 山さん
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