
今回は、この作品が設置されている「姫路市立美術館」の楽しみ方を紹介します。
この美術館は、明治末に建築され旧陸軍が兵器庫及び被服庫と使用していたものを、戦後市役所として利用し、1983年に美術館として再生した建物です。
そのために、外観は赤レンガで作られて、その色は世界遺産の姫路城の白と申し分のない美しい対比を持っています。
1)その楽しみ方1 姫路駅から散歩しながら美術館に行く
この通りは、「日本の通り100選」に選ばれた美しい通りです。道幅は50mあり、両側の歩道は、野外彫刻が20体ほど設置され、それをゆっくり味わいながら姫路城へ約1kmを散歩をしましょう。
15分ほど歩くと、目の前に姫路城の正門があります。その門を抜けて見る姫路城はまさしく「白鷺城」ですね。
城の右側に小さな動物園がありその間を通り抜けると美術館があります。
2)その楽しみ2 庭園を散歩する

右の写真は、美術館を正面にして、庭園の右側に展示されているのが、桑原巨守(くわはら ひろもり)の「姉妹」です。
「姉妹」の暖かい家族の絆を感じる作品です。見るものの心があったかくなってきます。すがすがしい気分になります。
野外彫刻の問題点のひとつは、メインテナンスをどのようにするかにあります。野外にあるわけですから、自然の影響(鳥の糞の汚れ、落書き、傷つけ等)を直接うけます。
しかしながら、庭園にある作品は、すばらしいメインテナンスがされていました。それはこれらの彫刻をメインテナンスしているボランティアグループのSWGの存在があると知りました。いつもきれいな作品を見てせていただいて、感謝します。SWGにもなさん、ありがとうございます。
3)その楽しみ3 常設展示室「國富奎三コレクション」

コローの湖に始まり、マティスのジャズまで、近代から現代にかけてのフランス絵画が作成年代順に展示されています。
今回私が好きになった作品は、ディフィの「ミシェル・ビヌーの肖像」です。
背景のブルーがとても印象的です。全体の50%はブルーです。それとシャツの白、チョッキの赤がとてもきれいです。
この少年のどことなく憂い憂いらしさが感じられるさわやかな絵ですね。
姫路市美術館の特徴にひとつとして、郷土の画家とベルギー絵画の収集にあります。デルヴォーやマグリッドをはじめとして多くの作品が収集されていますので、今後の常設展示が楽しみです。
4)その楽しみ4 企画展「シュルレアリスム」

時系列にシュルレアリスムを見ることが出来るように作品が展示されています。有名なダリの絵(三角形の時間)やマン・レイの写真、アルプの彫刻など、これほど多くのシュルレアリスムだけの作品を見ることができるのは痛快です。
しかしながら、対象がデュシャンの言うところの「網膜に映っている像」を超えようとしている作品群です。
すなわち、無意識の世界を描いていますので、鑑賞者の私たちにはなかなか理解すること出来ません。
人間の「目から見た風景」からの開放という視点はすばらしいのですが、そうであればあるほど、鑑賞する私たちの理解を超えたことになるので、見るほうの私も不思議な気持ちになってします。
右の絵はマグリットの「現実の感覚」というテーマの作品ですが、空中に浮遊しているのは、地球なのでしょうか?
4)その楽しみ4 ミュージアムカフェでくつろぐ
美術館の入り口に「ミュージアムカフェ」があります。独立した部屋ではありませんが、ちょっとしたコーナーの喫茶店です。
今回はアメリカンコーヒーを頼みました。
お店の人がサイホンで一杯一杯丁寧に作られていたのが非常に印象的でした。そのために、コーヒーは、程よい苦味でおいしくいただくことができました。
● アクセス JR姫路駅または山陽電車姫路駅から徒歩20分
歩かれることをお勧めしますが、バスは山陽電車姫路駅下から
土曜・日曜はループバスが便利です(100円)。
合掌 山さん
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